2026.06.09
0 はじめに 交通事故(特にいわゆる「もらい事故」)については、どれだけ注意を払ったとしても、避けられないこともあります。 警察庁交通局によりますと、2024年の1年間で、日本全国で29万0895件の交通事故が発生しており、みなさまも、いつ、交通事故の当事者になるかわからないともいえます。 交通事故に遭遇した際、様々な法的問題が生じますが、解決に際しては、弁護士へ依頼されることも選択肢の一つと考えられます。 他方で、弁護士に依頼をされる場合、弁護士費用の負担の問題があります。 この弁護士費用の問題解決の一助として、弁護士費用特約を利用するという方法が考えられます。
1 弁護士費用特約とは 弁護士費用特約とは、一般的に、交通事故など約款で定められた事故により被保険者が損害を被り、加害者(賠償義務者)に対して損害賠償請求を行うために弁護士に依頼した場合に負担する弁護士費用等について、保険会社が保険金を支払うことを内容とする特約のことをいいます。 いわゆる任意保険(自動車保険)においては、弁護士費用特約をつけることができる商品がほとんどではないかと思われます。
2 弁護士費用特約はどのような場合に使えるか 基本的には、保険の対象となっている車両に関して発生した自動車事故に適用がありますが、約款の内容によっては、「徒歩や自転車に乗っている際の事故」、「日常生活上の事故」にも弁護士費用特約が適用されるケースもあります。 また、事故当事者についても、保険契約者のみならず、家族まで対象となるケースもあります。 万一、事故に遭われた場合は、弁護士費用特約を使用できるか、保険会社にご確認いただくのが望ましいと考えられます。
3 交通事故事件を弁護士に依頼するメリット・デメリット(1)メリット ア 交渉窓口になること 交通事故に遭われた場合、事故相手方、または、相手方が加入している保険会社の担当者との間で、物損(車の修理に関する事項等)、人損(病院への通院や仕事を休んだ場合の休業損害等)、過失 割合等、様々な問題について、やり取りを行う必要があります。 弁護士に依頼された場合は、基本的に、全てのやり取りに関して、弁護士が窓口対応を行いますので、相手方や相手方保険会社と直接やりとりを行っていただく必要がなくなります。
イ 弁護士をつけない場合に比べて、損害賠償金額の増額が見込まれること 交通事故に遭われた場合、相手方に対して、被った損害に対する損害賠償請求を行うことが一般的です。 もっとも、損害賠償請求の金額(特に、慰謝料)に関しては、いくつかの計算方法があり、相手方保険会社から提示される金額よりも、弁護士に依頼して請求をした場合の金額の方が、高額となるケースが多いと考えられております。
(2)デメリット 弁護士に依頼した場合、弁護士費用をご負担いただく必要があります。
4 弁護士費用特約の効用 上記3(2)のデメリットを解消するのが弁護士費用特約の利点と考えられます。具体的には、現在の弁護士費用特約の特徴として、①1事故につき相談料10万円、弁護士費用300万円まで補償される②弁護士費用特約を使っただけでは任意保険の等級が変わらない(保険料が上がらない) という利点があります。
5 まとめ 以上のとおり、弁護士費用特約には様々なメリットがあります。 自動車に関する任意保険の特約として加入されている方も多いと思いますが、交通事故に遭われた場合には、弁護士費用特約を利用されることにより、様々なメリットがありますので、万一の際には、弁護士費用特約の利用をご検討いただければと思います。 また、現在加入されている任意保険に関し、弁護士費用特約が付いていない場合には、是非、弁護士費用特約の付保をご検討いただければと思います。
弁護士:小野 俊介
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